「すぐ諦めてしまう意志の弱い自分をどうにかしたい」と思ったら
「諦め続けてしまう」と思うのはなぜか?
質問者: 自分に甘く、すぐ諦めてしまうところをどうにかしたいと思っています。
石川: …とは言っても、そんなにすぐは諦めませんよね。(笑)
質問者: 諦めずやれることと、そうでないことがあります。やりたいかどうかの違いだと思いますが、トライアスロンもどうせ無理だと思って逃げを作っているし、他にも逃げていることが沢山あります。本気で全力で頑張ってる人が美しいと思うのにそうなれない自分がもどかしく思います。
石川: ゴールは「高く現状を外れたもの」になっていますか。
質問者: 今泳げない状態で3カ月後には1.5kmを泳ぐことを目標にしているので、現状を外れたものになっています。
石川: ゴールが現状を外れているのであれば、ゴール達成までのサブゴールは設定していますか? 3カ月後に1.5km泳げているはずだから、1か月後はどれぐらい泳げて今日は何しているというエフィカシーはありますか。
質問者: 泳げているはずだからこうこうという風に頑張れません。
石川: 頑張っちゃダメですよ。正しいゴール設定をして、アファメーションを行ってエフィカシーを高めれば「頑張っている」感覚なく自然と行動を起こすようになります。
やりたいことではないのではないでしょうか。
質問者: そこまでしてやりたいと思えません。本当にやりたいかどうかわからないし、「ま、いっか」という感じで諦めて逃げてしまいます。
石川: 他に優先すべきことがあれば先にそちらをやった方がいいですが、それを抜きにして何でも諦めていたらやることがなくなります。(笑)
質問者: だからコーチング受ける前は人生つまらなかった。ただ、あきらめ癖がついているから、コーチング受けても情熱に火を灯し続けられないのだと思います。
絶対不変なやりたいことは存在しない
石川: 不完全性定理(つまりは世の中に絶対的な価値観は存在しないということ)を理解すれば、「『本当にやりたいこと』という絶対普遍なものはない」ということがわかります。
やりたいことというのはどんどん変わっていくものだし、変わっていけばいい。だからゴールの更新が必要になります。
質問者: 変わっていくのはいいと思うのですが、「じゃあこれかな、次はこれかな」とやりたいことが変わっても何だか情熱が無いというか、途中から「別にいっか」と思ってしまいます。
石川: 絶対不変なものはないからこそ、暫定的ゴールを決めていきます。今僕が掲げているゴールのビジョンも全て仮のもの。その時ベストなものはどんどん変わっていくし、本当はやりたいかどうかもわからない。
ただ、一旦ゴール設定すれば、「本当にやりたいことだ」というふうに評価が変わっていきますし、そのゴール達成のために必要なことが自然にやりたいことに変わっていきます。
質問者: じゃあトライアスロンじゃないものをゴールにした方がいいのでしょうか?
石川: ゴール設定はなんでもいいです。やりたいと思えることをとりあえずゴール設定して、アファメーションしてエフィカシー高めていけばやりたいことに変わっていきます。
自分で自分を束縛するということ
石川: 人は自由だからこそ、自分で自分を束縛する必要があります。自由ということは選択肢が無限にあるカオスの状態。何をやってもいいし、どれだけサボってもいい。
だけど人生一度しかないし、一生80~100年ずっと何の目的もなしに過ごすのを良しとするのであれば、それはそれでいいのです。
それが不満であれば、自分のやりたいことに自分を束縛していくと良いです。
質問者: このままの状態はイヤだと思っているのですが、ずっと眠たくて毎日やることやらず寝てしまって終わってしまいます。
石川: その不満の裏には、自由に時間を使いたいという思いがあるのかもしれませんね。会社辞めて毎日8時間寝て短時間仕事して居酒屋で飲み歩くというライフスタイルを仮定し、8時間ぐっすり寝たらそれ以上寝たいと思うでしょうか?
ゴール設定を先にすれば、それがやりたいことに変わる
質問者: そんなライフスタイルならそれ以上寝たいとは思わないでしょうね。(笑)
とりあえずのゴール設定ができてないということはわかりましたが、やりたいことだけやるというわけにはいかないですよね?
石川: やりたことだけやればいいです。やりたいことという意味では、タバコとかお酒とかは嗜好としていいですが、やり続けたら弊害もある。弊害を受け入れた上で「やりたいこと」としてやるのはいいと思います。「好きであること」と「やりたいこと」は違うので。
質問者: やりたいことというのは寝る時間も惜しんでやりたくなるようなものだと思っているので、そもそも酒やタバコをやりたいというのは、何だか違うような気がします。
石川: そうですね。ゴール設定すれば、ドーパミン回路を強化することで、自分で自分を洗脳することができてしまいます。
そういう意味では、他人から刷り込まれたゴールや、本来やりたくないことでも、ゴール設定すれば没頭できるようになってしまいます。軍事洗脳がその代表ですね。
質問者: ドーパミン回路を強化しようと思ったらアファメーションが必要ということでしょうか?
石川: アファメーションに代表される「ゴールを達成した自分の臨場感を高める技術」ですね。でもその前にまずはゴール設定です。明確にゴール設定できていますか?
“今”を含む“過去ベース”で考えるのでなく、“未来ベース”で考える
質問者: ちゃんとゴール設定できるのは、「自分がコーチになる」ということだけです。コーチになるにあたり、今は会社に勤めていてお給料をもらっているので困っていませんが、「お金を稼ぎたい」というクライアントが来た時に自分が出来ていない(お金を稼げていない)とコーチングできないので、会社以外でお金を稼ぎたいと思っています。
石川: それは自分で限界作ってますよ。
質問者: 稼いでなくてもできるということでしょうか?
石川: クライアントにとったらコーチがいくら稼いでいるかは関係ないです。クライアントとしては、クライアント本人がゴール達成できればいいですよね。
コーチ自身が稼いでないとコーチできないなんて言ったら誰もコーチ業始められませんよ(笑)それは、現状のリソース(ここでは、収入の多寡)を基準にして自分の未来を判断するという過去思考になっています。
コーチというのは「未来」しか扱わないので、「現在」の能力や収入、実績などのリソースがなくてもゴール達成できると言っている人の方が未来思考ですからコーチにふさわしい。
石川: 「今は稼いでいないけど、自分の未来は○○円稼いでいるから今は○人ぐらいクライアントがいて…」と自分で先に設定します。過去(現在を含む)は一切関係ありません。
もちろんお金を稼ぐというよりも「クライアントをゴール達成に導く」ことができていなければ意味はありませんが。
質問者: 指摘されるまで過去ベースで考えていることに気づきませんでした。しっかりとした未来(ゴール)を先に設定して取り組みます。ありがとうございました。
聴き手(質問者)と文章の書き起こし担当: 宮野明子
本日もお読みいただき、ありがとうございました。