Dec 20, 2014
日本茶専門店のマスターから教わった’遠慮’という言葉のあまり知られていない意味
先日、僕の好きな日本茶専門店である「道盅庵」というお茶屋さんへ久々に行って、煎茶を頂いてきました。
このお店の店主である蟹江さんは、日本茶、日本の伝統文化にとても造詣が深く、よくテレビ・雑誌などのメディアに特集されています。
オーセンティックバーのようなカウンターで日本茶を味わうことができるので、
とても心地よくお茶の味は素晴らしいです。
しかし僕は蟹江さんのお話を聴かせてもらえるのが楽しみで、通ってしまいます。
今回は、蟹江さんの最も好きな言葉である‘遠慮’という言葉の意味について教えてくれました。
それが、僕の専門とする、ゴール達成におけるマインドの使い方との繋がりを強く感じたので、シェアしたいと思います。メールマガジン「Flow Coaching™ News Letter」ではメルマガ読者限定コンテンツを配信していますので、ご興味ありましたらご登録ください。
‘遠慮’という言葉の知られざる意味
蟹江さんは、‘遠慮’という言葉が一番好きだそうで、そのあまり知られていない意味を教えてくれました。
そもそも‘遠慮’の辞書的定義は、以下の通りです。
えん‐りょ〔ヱン‐〕【遠慮】
[名](スル)《3が原義》
1 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。「―なくいただきます」「年長者への―がある」「この部屋ではタバコは―してください」
2 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。「せっかくですが出席を―します」「君は―してくれ」
3 遠い将来のことを思慮に入れて、考えをめぐらすこと。遠謀。「深謀―」
4 江戸時代、武士や僧に科した刑罰の一。軽い謹慎刑で、自宅での籠居(ろうきょ)を命じたもの。夜間のひそかな外出は黙認された。(コトバンクより)
現在の‘遠慮’という言葉の使われ方は、以上の辞書的定義で言う1や2の意味で使われることが多いのではないでしょうか。
4のように、江戸時代は軽い謹慎刑として’遠慮’という刑罰があったそうですから、その名残かもしれません。
しかし、3の意味もあります。
これは’遠慮’という字のごとく
「遠きを慮ること」です。
蟹江さんはこのように言います。
「例えば車を運転しているときに、目の前に車が割り込んで来てイラッとしたとしますね。気付いたら30〜40分間もイライラして、それがきっかけでその一日を台無しにしてしまう。それを、自分から車を止めて前に入れてあげる。自分の選択で入れただけのことであり、お互いが気持ちいい。自分が気持ち良く前を進みたいから入れてあげるだけのことであり、これが遠きを慮ることなのです」
割り込んできた車にイラッとして1日をムダにしてしまうのって、めちゃくちゃ怖いことだと思いませんか?
国家の軍事権持ってる人がイラッとして判断を誤って核爆弾ミサイルのボタンを押してしまったら、取り返しがつきません。
そこまでいかなくても、あることがきっかけでイラッとしてビジネスの契約を取り損ねたり、
パートナーとケンカ別れしてしまうことになったり、、
そう言ったリスクを防ぐためには、遠きを慮ることが大切です。
‘遠慮’という言葉の意味は決して、ただ控えめになること、ただ慎むことではないのです。
‘遠慮’とは大きなゴールにフォーカスすれば自然と出来るもの
例えば僕は質の高い読書の時間を捻出したいがために、テレビを観たり糖分を過剰に取ったり、その時の気分でムダに時を過ごすことは極力’遠慮’しています。
それは、読書して得られる知識に自分のゴールにとってのメリットを感じているからであり、他の小さなことはムダなことになります。
これは、近視眼的に見れば
「お菓子を遠慮した」
「テレビ観ることを控えた」
「飲みの誘いを遠慮した」
ということになるかもしれませんが、
結局は「大きなゴール」にフォーカスする=遠きを慮る=遠慮した結果であるに過ぎません。
遠慮した結果、近視眼的なことに対して控えたということになるだけのことです。
ですから、’遠慮’とはただ控える、ただ断る、ただ慎むということではないのです。
それらは結果論に過ぎません。
つまり、’遠慮’というのは、大きなゴールにフォーカスさえしていれば自然と出来るようになるものです。
ビジネスの世界でも、昔から「損して得を取れ」と言われます。
もちろん、ただ損するだけではありません。
最終的な’大きな得’を視野に入れた上で、そのための小さな損は惜しみなくやりましょうよ、ということです。
「少しは遠慮しろ」を疑え!
ですから、会社の上司や親から言われる「少しは遠慮しなさい」という言葉の真意が分かると思います。
「〔上司としての(親としての)私の立場が無いから〕少しは遠慮しなさい」
かもしれないし、
「(ムダな飲み会ばかり参加するより自分の将来をちゃんと考えて欲しいから)少しは遠慮しなさい」
かもしれません。
遠慮とは自己犠牲的にただ控える、慎むということではないので、それはあなたのゴールにとってメリットがあるか否かを基準にして判断しましょう。
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