「本当にゴール設定ができているのかわからない」と思ってなかなか前に進めない人が確認すべき「仮のゴール」の必要性
今回の記事は、対話形式でお送りします。
今回は、私のクライアントでもあるライターの武田悠太さんが、Skypeインタビュー、録音、編集、書き起こしをすべてやってくれました。とても分かりやすくまとまっています。回答は僕です。
これから、数名のライターさんにお願いしてこういった対話形式の記事を更新していきたいと思いますので、このサイトをこれからもお楽しみくださいね。
ご覧になって興味を持たれた方は、シェアやコメント、いいね!などご自由にどうぞ。
「本当にゴール設定ができているのかわからない」と思ったら、まず「仮のゴール」を設定する
今日は「ゴール設定について」をテーマに話します。聴き手からの質問などを交えつつ、話を進めていきます。
質問者:石川コーチ(以下より石川と表記)、よろしくお願いします。ゴール設定をする際に、「本当にゴール設定ができているのかわからない」。コーチングに興味を持った多くの人たちが抱く疑問だと思うのですが。
石川 :はい。
質問者:ゴール設定で、「仮のゴール」という言葉がありますね。この「仮のゴール」とはどのようなものなのでしょうか。
石川 :(設定の際に)自分が一番いいと思ったゴールを設定しますね。「絶対にこれがいい」と思ったゴールが、常に仮のゴールです。
石川 :不完全性定理*により、世の中に絶対的な価値観はありません。つまり絶対的に「これだ!」と思いやりたいことをゴール設定しますが、「絶対的にこれがいい」というのも正しいとは限らないのです。
*不完全性定理…この世に絶対的な価値は存在しないという公理。詳しくはリンク参照のこと
質問者:自分が「これがいい」と思っていても、それが絶対的に正しいわけではないのですか。
設定しても常に仮のゴール。更新しないとエネルギーが枯渇する?!
石川 :そうです。どんなにいいと思っていても、常にそれは「仮のゴールだ」という自覚をすることです。例えばAさんがネットビジネスで成功し、年収十億円が手に入ったとします。それまで年収十億を達成することだけが生きがいでゴールを目指していたけれど、達成してしまったらゴールではなくなります。むしろ、達成する直前から、エネルギーが枯渇し始めるんです。
質問者:なるほど、だからゴールの更新が必要なんですね。
石川 :そうそう。本当はAさんは社会的に認められたいだけかもしれないし、モテたいだけかもしれません。裏に必ず、根源的な動機があります。
質問者:ゴールだと思い込んでいるものの裏にも、根源的な動機があると。
石川 :はい。例えば「エルメスやルイ・ヴィトンのバッグがいい」という広告を見ます。「ああ、それ欲しい!」と思いますよね、雑誌等のメディアを見た人は。「エルメスのバッグをいつか買うぞ」っていうのは広告に惑わされているだけ、というのがほとんどでしょう。良い悪いは別として。「エルメスのバッグを買う」のはゴールとしては小さいです。小さいですが設定したときに「(そのゴールは)常に仮である」と知っておくと、なぜ自分はそれを欲しいのか考えたときにふと気づく瞬間があります。
質問者:自分自身のより深い動機に、ですか。
石川 :そうです、例えば「もっとリッチなライフスタイルを享受したい」とか「社会的に成功したい」だけかもしれません。サラリーマンをやっていて大金を出せない、何十万何百万円もするバッグを買うくらい稼げないという限界を、無意識に植え付けられているだけかもしれない。
質問者:自分がゴールだと思っているものが、実はゴールではない可能性も含めて「ゴール設定」なのですね。
石川 :はい。常にその時点でのベストなゴールを描いていけばいいです。いいのですけれども、ベストだと思っているものは常に、絶対的にベストだとは限りませんよという話です。不完全性定理によってね。この認識を持っておけば、どんどん(ゴールを)更新できます。たとえ稼げなくても他のやりたいことに気づくこともあります。スコトーマ(詳しくはリンク参照)が外れますから。
ゴール設定に迷った時こそ、仮のゴールをどんどん設定した方がいい
質問者:なるほど、よくわかりました。「自分のゴール設定はこれでいいのだろうか」と思っている人は多いと思います。
石川 :(迷った際には)どんどん仮のゴールを設定した方がいいですね。設定しなければ動けませんから。
質問者:設定して、やってみて初めて「これは違うな」とか「これがいいな」と分かる。
石川 :ええ、何らかのゴール設定をしなければ、人間は動けません。
質問者:とても解りやすい説明でした、石川コーチ、ありがとうございました。
石川 :はい、ありがとうございました。
聴き手(質問者)と文章の書き起こし担当:武田悠太