「アファメーションしてもゴールの臨場感が上がらない」という人は、寿命に勝るほどの「やらなきゃヤバい理由」を作れていない
本日も、パーソナルコーチ石川直樹と質問者の対話形式でゴール達成のためのマインドの使い方に関するコンテンツをお届けします。
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ゴール設定、アファメーションをしてもゴールの臨場感が上がらないのはなぜか?
質問者: 石川コーチ(以下より石川と表記)、本日もよろしくお願いします。
石川: はい、よろしく。
質問者: コーチングで、ゴール設定の重要性についてもう何度も出てきていますね。
石川: はい。
質問者: 感覚的な話になります。自分で「ゴール設定できている」と思っていて、さらにアファメーションなどをやって、気分は盛り上がるけれど、今ひとつ臨場感が湧きません。
石川: ゴール設定をしたとき、臨場感が湧かない。なぜそうなるか、考えられる要因は?
質問者: ええと、例えば「ゴールが現状の範囲内(実現可能なすぐ手が届きそうなレベル)」とか、「(ゴールの臨場感を出すための)知識が足りない」とか。
石川: なるほどなるほど。そもそも最近、(コーチングをしていて)凄く思うことがあります。それは、コーチング理論を使ってセルフコーチングしていても、本当にやらなければならないその人にとっての揺るぎない理由が必要ということ。何らかの「やらなきゃヤバい!!」という理由が無ければ、人はそう簡単に動きません。
‘寿命’は最も強い「やらなきゃヤバい理由」
石川: 以前40代くらいの方と話をしました。その人は転職をされて、とても希望にあふれていると仰っていました。「一度きりの人生だから、凄くチャレンジした人生でありたい」と。それで、そう思わせるのは「寿命があるから」だよね、という話をしました。
質問者: ああ、確かに!
石川: でも寿命を意識できるというのは、40代の方にとっては、「ああ、人生も折り返し地点か」と思うからです。
質問者: はい。
石川: たぶん10代の人はあまり思わないですよ、寿命がどうこうとは。20代、30代でもそうかもしれませんが。
質問者: 私も思いませんでした(笑)
石川: そうそう(笑)アレクサンドロス(アレキサンダー)大王とか、凄いですよね。10代20代で、もの凄く(広い範囲を)統一しています。
質問者: かなり若い年齢で世を去っていますね。
石川: (統一できたのは)寿命があるからです。アレクサンドロス大王には、親(ピリッポス2世)の資産もありましたが。アレクサンドロス大王は子どもの頃、親のピリッポス2世に対して怒ったそうです。(ピリッポス2世が、当時既に多くの領地を治めていたため)「自分の(これから拡大していく分の)獲る領土がない!」とね。
質問者: 「自分の分も残しておいてくれよ」ってことですよね、それ(笑)
石川: これ、めちゃくちゃコンフォートゾーン高いです。領地をさらに東の方へ拡大して、アレクサンドロス大王は成功しました。それが若いうちに達成できたのは、昔は(今と比べて)寿命が短かったからです。
質問者: なるほど。
石川: 昔の成功者は、寿命が短いです。「寿命のコンフォートゾーン」というのか。今の平均寿命は80代くらいですが、昔はその半分ぐらいでした。
質問者: 「人間50年」という、有名な言葉がありますね。
石川: そうそう、まさにそれです。寿命の臨場感って、凄く強いです。「もうあと人生◯◯年しかないから、今やらなきゃ!」みたいな。めちゃくちゃ強力です、やらなきゃいけない理由が。
質問者: はい。
寿命に勝るほどの「やらなきゃヤバい理由」を創り出すには
石川: そのくらい強い理由を、作り出す必要がありますね。絶対やりますよ。
質問者: 私もそう思います。
石川: 幼少時代に凄く貧しい生活をしていた人、例えば矢沢永吉さんが有名ですね。著作の「成りあがり」に書かれています。
石川: とても貧しい生活をしていて、「俺はもうこんな生活は嫌だ!!」といって「ロックスターになる!!」と決める。いろいろなパブやバーでの仕事でも、やりたいことに変わった、みたいなことが書かれている。これはまさにスコトーマの原理です。
質問者: スコトーマですか。
石川: 自分は貧しい人生しか経験してない、だけど自分の人生はこんなものじゃない。プライドですよ。プライドというか、それこそコンフォートゾーン(心理的に心地よく安心なレベル)。それくらいの、何らかの理由が必要です。
質問者: う~ん(考え込みつつ)。
石川: 言語で表せるものじゃありません、そういうのは。
質問者: よくわかります。
石川: ですよね。これが例えば、「今年は年収1億円稼ぎたい。なぜなら家族を幸せにしたいし、ビジネスの成功者としてありたいし、社会に貢献できる存在でありたいから」と。一瞬思ったとします。
石川: 一瞬思って文字にしたとしても、(望む内容が同じでも)そうしなきゃいけない理由は、人によって違います。
質問者: 私も今こうして、石川コーチのお話を伺っています。何というか、「(記事を)書きたい、書かなきゃ!」みたいな感じです。
石川: そうそう。
質問者: 突き動かされるのが先で、言葉は後からいろいろ出てきますよね。
石川: そうです、そうです。言語ってそれ(突き動かされる理由)よりも、抽象度が低いですから。それを、寿命以外で作り出せるか、といえば作れます。
質問者: 作れるんですね。
石川: アファメーションとか、いろいろやるわけです。ただ単に「◯◯だから(やりたい、やる)」と言葉で表すようなものじゃない。「このゴールを達成しなければ、そんなの自分じゃない!!」というくらいの理由。
質問者: はい。
石川: それを心の中に、というか自分のホメオスタシスの中に組み込んでしまうくらいのイメージです。
質問者: 「このぐらいのゴール、達成して当然だ」と。
ひたすらイメージして、脳に慣れさせる
石川: そうです。私たちは、今家の中で生活していますが、昔は家屋はありません。野営でした。
質問者: そうですね。
石川: (昔の人たちにとって)野営は当たり前ですが、私たちにとっては、野営はすなわち「アウトドア」ですよね(笑)「ありえない!!」って思うでしょう。
質問者: (笑)
石川: その「ありえない!!」って思うくらいの、普通さ加減。それは慣れでもあります。なりたい自分をイメージして、ある映像ばかり見ていると、人は慣れてきます。
石川: 慣れというのは、コンフォートゾーンになるということ。当たり前になるということです。そうやってゴールの世界を当たり前に出来たら、そこから外れたとき「こんなの自分じゃない!!」となる。
質問者: なるほど。
石川: 要するに、アファメーションとかをしっかりやりましょう、という話です(笑)だけど、ただ少しやっただけでは臨場感は湧きません。コンフォートゾーンは簡単に動くものではない。そのくらいの強力な理由が必要、という話です。
質問者: わかりました。石川コーチ、お話ありがとうございました。
石川: はい、ありがとうございました。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
話の聴き手、並びに文章の書き起こし担当:武田悠太